まち歩きの視点-熱海編


熱海駅で電車を降り、駅前に出ると少し違和感がある。
自分立っている場所が若干高く、どこを見ても緩やかな坂で下っているようである。
熱海は駅から海に向かってだんだん標高が下がっていく地形をしているからだ。

駅前から地形に歩かされるように進んでいくと商店街がみえてくる。
この商店街は坂の途中にあり、坂に屋根がついてできているとも言える。

そこで、坂に注目して熱海の商店街を歩いてみる。

熱海の商店街のひとつである仲見世通り商店街。
特に意識せずブラブラと歩いても、商店街が坂になっているからこそ目線の先にきれいなガラスの屋根が入ってくる。
屋根の意匠から少しだけ西欧の趣を感じる。日本のThe温泉街見たいなイメージからはかなり違った印象を受ける。
屋根のデザインを考えた人は楽しかっただろうなと思ってみたりする。

ガラスの屋根が自然に目に入る

隣の商店街を歩くと、道にたくさんのベンチや植木鉢が置かれているのを見つける。
いやいや坂なのによく倒れないなと思ってよく観察をすると…
坂に対応するため脚になる木の長さを変えている。これは面白いな〜と人でごった返した商店街の中、一目も憚らず植木鉢のピンショットを撮る人になる。

高さの違う脚で坂に対応している

商店街にある店はほとんど坂に面しており、店先をみると坂が生み出す段差を利用して、小上がりのある店先空間を作ったり、待合スペースを作ったりしている。
段差の使い方に店の個性が現れ、商店街の楽しさにつながっているように感じる。

あまり滞在時間がなかったので、店で買ったどら焼きを坂対応のベンチに座って食べたあと、熱海駅の方に引き返すことにした。
今まで下り坂だった商店街が上り坂に変わる。
目線は自然に上を向く。思ったよりも人がたくさんいる様に感じる。もしかしたら坂だからこそより多くの人が見えるのかもしれない。
坂が“賑わい”を生んでいるといっても言い過ぎではないのかもしれないなと思いながら熱海のまちを後にすることにした。

奥まで人がいる様にみえる

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