KK線は人の居場所になれるか

公共空間を考える
Roof Park Fes&Walk

2025年4月に閉鎖され、元高速道路上を人中心の空間にしていく方針で検討されているKK線。
私は正直、そんな簡単に人が元高速道路を歩きたいと思うのだろうか?と思いつつ、公共空間整備に携わる人間として一度様子を見てみたいと思っていました。

そんな中、KK線を歩くツアー(Roof-Park Fes&Walk)の企画をみつけ、
これは行かなくては!と申し込みをしました。

このRoof-Park Fes&Walkには複数のツアーが用意されており、私は、“「場所の様々な視点」のデザインを考える”をテーマとしたツアーで、永山祐子さん(永山祐子建築設計)、色部義昭さん(株式会社日本デザインセンター 色部デザイン研究所)、齋藤精一さん(パノラマティクス)がメインガイドをされているものに参加しました。

私は頭の中に
・高速道路上を歩く魅力ってなんなのか?
・KK線らしい場所の使い方はあるのか?
・歩ける様になった時誰が使う場所になるんだ?
と疑問を浮かべつつ現地見学をスタートしました。

高速道路を歩く魅力:非日常な体験

歩き始めてすぐ、今まで歩いたことのない絶妙な高さに居る感覚を面白く感じました。
確かに考えてみると、普通の歩道橋より少し高い(1m~2mほど高い?)位置の外部空間を歩くことってあまりないかもしれません。

KK線の高さから見る景色
KK線の高さから見る景色

また、他に面白かった体験としては、道路の線や標識、壁が残っていることで、普段の道では感じられないオーバースケール感から、まるで自分がいつもより小さな人間になった様な感覚がすることがありました。

KK線だからできる場所づくり

KK線の中でここは面白い活用の仕方をしたいなぁと思った場所がいくつかありました。

①普通の道ではありえない勾配
道路の曲線部が高速道路走行のために5%ほどの横断勾配がついていました。
これは活かしたいと思い。水を流すスケッチを書いてみたり。。

勾配の使い方のアイデアを考えてみる

②葉っぱに触れそうな樹木
KK線に隣接した泰明小学校と数寄屋橋公園の樹木の葉が、非常に近くに感じられるのを何かに活かすことはできないだろうかと感じました。
樹木が下から生えてきて、緑に囲まれる場所になったら面白そうだなとスケッチを書いてみたり。。

KK線から触れそうな緑
道路から緑に囲まれた空間へ

誰が使う空間になっていくのか?

今回様々なコンテンツのブースでイベントが行われていました。

長い時間の視点で考えた時、これらのコンテンツが継続して行われるようになるには、KK線がコンテンツ側が集まりたくなるような独自の魅力をもち、人が集まる場となる必要があると感じました。

コンテンツ盛りだくさんのイベント

今回のイベントでKK線は“Roof-Park”という名前を与えられています。
これは、元々KK線は下部の建物のテナント賃料で建設・維持される特殊な経営方法をした高速道路であった経緯から、建物の屋根としてのKK線をリデザインしようという意図があるということらしいです。

また、KK線に隣接する街区の再開発は、KK線と行き来できるような動線とする計画もあるそうです。

元高速道路としてのKK線(土木)、建物の屋根としてのKK線(建築)、隣接した建物を行き来できる都市の動線としてのKK線(都市)。
土木、建築、都市、その他の様々な観点から、KK線を独自の魅力を生み出す場所として整備をしていくことが必要なんだろうと感じました。

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